「栄養士」も「管理栄養士」も国家資格となっていますが、その違いは以下のようになります。
①栄養士の仕事
一般的な栄養指導や、集団の栄養・食事の管理指導を行います。たとえば、市町村などで生活習慣病などに関する栄養相談を行うのが栄養士の仕事です。
②管理栄養士の仕事
専門的な知識を必要とする栄養指導や、集団の栄養・食事の管理指導を行います。都道府県や保健所を設置している市・特別区において、専門的な栄養相談をするのが管理栄養士の仕事です。
また、「管理栄養士」は「栄養士」のワンランク上の国家資格となります。
「栄養士」と「管理栄養士」の仕事内容、基準は定められているのですが、実際の仕事場での区別は職場によって異なっているようです。
たとえば、一般的な業務を栄養士が担い、専門的な業務には管理栄養士があたっている職場もあれば、区別されずに同じ仕事をしているという職場もあるのが現状です。
しかし現在では人々の健康に対する関心が高くなってきていますので、管理栄養士がより専門性の高い仕事に就いたり、指導や管理を行う立場になって、栄養士よりも高い収入を得られる時代がいずれ来ると思われます。ぜひ、管理栄養士の資格を目指してみて下さい。
管理栄養士国家試験は例年5月に行われてきましたが、2005(平成17)年の第19回試験からは3月に行われるようになりました。
また、2006(平成18)年の第20回試験以降、新制度が導入されるために受験資格や試験問題数、試験時間なども変更になりますので注意してください。受験資格の変更点は、4年制栄養士課程の大学を卒業した場合、1年間の実務経験が必要になることです。だたし、平成17年度3月31日までに、4年制の栄養士課程を卒業した学生は、平成22年3月31日までの間、実務経験がなくても受験資格が認められます。それ以降は1年間の実務経験が必要となります。
管理栄養士は栄養士よりもワンランク上の資格であるため、2000年以来受験者数は2万人を超え、その数は毎年増加傾向にあります。
一方、合格者数は例年5千人弱にとどまり、2004年には合格率が15.6%まで落ち込みました。これは合格基準が厳しくなったためで、食生活が豊かになった反面、生活習慣病などで健康を損ねる人が多い現代日本において、管理栄養士により高い質が求められるようになったことが、その原因として考えられるでしょう。
なお、2005年第19回試験では、管理栄養士の人気が高まってきたと思われ、
受験者数約3万人、合格率23.5%へ上昇しています。
国が指定した養成施設を卒業すれば、誰でも栄養士の資格を取得することができ、毎年2万人近くの人が栄養士免許を取得しています。しかし、その全員が栄養士として就職するわけではありません。
少子化の影響で学校での採用は減っていますし、工場や事業所などの社員食堂や病院などへ就職するケースが多く、免許取得者全体でみると平成14年度は約4割の8千人程度が、栄養士として働く道を選んでいます。
ただし、人口の高齢化のために増えてきた老人福祉施設や、在宅訪問栄養指導などで今後需要が増すだろうと予測されます。
毎日元気に生活するために、朝、昼、晩の3食は欠かせないものです。しかし、栄養バランスが偏っていたり、食べる量にも気をつけないと却って健康を損ねることになります。
私たちの体をつくる「食」は、豊かな時代であるからこそとても重要な意味を持ちます。栄養士はこの「食」について専門的な知識を持ち、人々に正しい栄養知識を教えて健康をサポートするという重要な使命を担っています。
1925(大正14)年、世界的に初めての栄養士養成施設が日本で誕生しました。栄養学の創始者として名高い佐伯矩(ただす)博士により設立された「栄養学校」(現在の佐伯栄養専門学校)です。この学校の第1回卒業生は「栄養手」と呼ばれ、15名が社会に羽ばたいていきました。
時代は昭和に移り、戦争による軍隊や軍需工場のための大規模な給食施設の増加に加え、保健所制度の充実に伴って栄養士の需要も高まり、現在の女子栄養大学の元である「家庭食養研究会」や東京栄養食糧専門学校の元である「食糧学校」などの栄養士養成施設が誕生します。
その後、第二次世界大戦による食糧不足から人々は栄養失調に陥り、少ない食糧をも有効利用できる知識を持つ栄養士の活躍の場は更に広がることになります。そこで誕生したのが、1947(昭和22)年の「栄養士法」制定による国家資格としての栄養士です。
昭和も半ばを過ぎると、経済が成長して人々の生活は豊かになり、栄養面での問題が無くなったかに思えました。しかし、豊かになりすぎたことが原因で豊富に食材が入る現在では、肥満や生活習慣病などで悩む人が増えています。
そこで栄養士には健康に良い食事を自ら選べるように人々に指導したり、バランスのとれた食生活を実現するためのアドバイスをするといった新たな役割が必要とされています。
また、栄養士のワンランク上にあたり、さらに専門的な知識と技術を持つ管理栄養士という資格が1962(昭和37)年に誕生しました。
多くの栄養士は学校や工場、事業所などの給食施設に勤め、栄養バランスのとれた食事を提供できるように献立を作成するなどの仕事をしています。
領域の広い仕事なのでそのほかにも種々挙げられますが、栄養士の仕事の目的は「食」や「栄養」についての専門知識を用い、人々に「食」の大切さを広めて健康をサポートすることと言えるでしょう。
食生活が豊かになりすぎたことが災いして、現代の日本ではさまざまな問題が起こってきています。たとえば、数年前まで「成人病」と呼ばれていた糖尿病や高血圧、脳卒中、悪性腫瘍(がん)などが子どもの間でも見られるようになり、「生活習慣病」と名前を変えて人々に深刻な被害をもたらしています。また、間違ったダイエット法による「拒食症」なども、若い女性を中心に起きています。ほかにも、食品添加物やアレルギーなどの問題も挙げられます。
そういったさまざまな問題を解決するため、栄養士には更なる知識と技術が必要とされるのです。
医師の指示に基づき、入院患者だけでなく食事療法が必要な通院患者に対しても栄養指導を行ったり、病院給食の献立を考えます。施設によりますが、調理を任されることもあるようです。
義務教育の小中学校だけでなく、盲学校やろう学校、養護学校などにおいて、栄養基準に基づいた給食の献立を作成します。調理員の指導のほか、一緒に調理をすることもあります。
また、「給食だより」など給食記録の作成、栄養価の計算や経理といった、事務面にまで仕事は及びます。
生徒たちと触れ合う機会を学校側が設けてくれた時には、栄養の基本について直接説明することもあり、学校での業務は多岐にわたります。
産業給食施設とは、企業の社員食堂や賄い付きの社員寮などを指し、ここでは食事の献立を作成したり、調理を指導することが主な仕事となります。また、社員向けに簡単な栄養指導をすることもあります。
健康保険組合での仕事は、社員に対して「食」と健康の関わりを知ってもらうために講習会を開いたり、定期健康診断で肥満や異常が見られた社員に栄養面でのアドバイスを行うことです。
高齢化社会に突入しつつある現代日本において、この分野での仕事は今後増加するだろうと考えられます。福祉施設には老人ホームやデイケアセンターなどの老人施設以外にも、保育園や心身障害児(者)施設などが挙げられます。栄養士の仕事は、こういった施設での給食を用意することです。
保育園によってさまざまですが、主食と副食両方の「完全給食」や、副食のみの「副食給食」で、栄養基準に基づいた給食の献立を作成します。心身障害児(者)施設では、摂食機能障害を持つ人に対し、食事が摂れるように指導したり訓練を行ったりする業務もあります。
都道府県か市町村かによって仕事内容は変わり、都道府県は調査などの対人業務でなく管理的な業務、市町村では集団健診、栄養相談、母子栄養指導などの対人業務が中心となります。
集団給食施設に向けて栄養や献立の指導をしたり、栄養調査を行うほか、地域住民に向けては健康づくりのため、医師や健康運動指導士などと協力してイベントを企画することもあります。
食品・栄養にかかわる調査・研究・開発を大学、研究機関、食品会社などで行っています。特に新製品の開発においては、注目される分野となっています。
栄養士・管理栄養士養成、保健・福祉関係の大学などでの教育研究、小中高で家庭科などの教師として教育活動もしています。
非常に人気の高い仕事として、スポーツ選手の栄養管理を行うサポートスタッフになることが挙げられます。しかし高度な専門知識が必要であり、また就職口も限られているため、サポートスタッフになれる人はごくわずかです。
そして今後需要が伸びるであろう分野として、フィットネス施設があります。最近では医療と健康・体力づくりの面を医師がサポートし、栄養士によって運動と食事を組み合わせたダイエットプログラムを取り入れている施設が見られるようになりました。施設によっては栄養士による栄養相談日を設けているところもあります。
通院患者の自宅に出向いて栄養指導を行う「在宅訪問栄養指導」や、レストランのメニュー開発を行う「フードコーディネーター」、料理研究家、料理の本の編集に携わる仕事、「食」に関するテレビ番組の制作、「食」に関わる広告を作成する…など、栄養士が活躍する職場は数多くあります。
また、こういった職に就かずに自分で会社を興したり、フリーで仕事をする栄養士もいるのです。
栄養士と管理栄養士のどちらも国家資格ですが、栄養士は主に現場の業務に携わり、一般的な栄養指導や、集団の栄養・食事の管理指導を行います。
それに対して管理栄養士は、専門的な知識を必要とする栄養指導や、集団の栄養・食事の管理指導を行うほか、業務全体の管理、業務実績の分析やまとめ、関連部署・関連機関との連携など、管理職的な業務にも携わり、その仕事は労務や経営面にまで及ぶこともあります。また、職場内において栄養士を指導したりもします。
しかし実際の職場においては、病院や行政関係などを除き、区別されずに同じ仕事をしているケースが多いのが現状です。ただ多くの場合、資格手当が付けられる分給与面でも管理栄養士が勝っているといえるでしょう。
現時点では区別なく同じ仕事をしていますが、今後はより専門性の高い仕事や、指導・管理面において管理栄養士を徴用する職場が増えるだろうと思われます。
栄養士とは「栄養士」と「管理栄養士」の2つを指し、国または国が指定した機関が法律に基づいて認定する国家資格です。医師や弁護士、税理士、看護師、美容師、調理師など他の国家資格と同様、国によって能力や知識が保証されるため、社会的に高い信頼を得ることができます。
栄養士の資格を取得するには、栄養士養成施設や管理栄養士養成施設を卒業することが条件となります。ただ、管理栄養士は栄養士のワンランク上の資格となりますので、管理栄養士を目指す人はまず栄養士資格を取得し、その後一定期間の実務経験を経て国家試験を受ける必要があります。
栄養士資格と同じく、1985(昭和60)年以前は管理栄養士養成施設を卒業するか、栄養士免許を取得後一定期間の実務経験を経て試験に合格すれば管理栄養士資格を取得することができました。
しかし、より高い質と社会的地位の向上が求められるようになったため1985年に法改正が行われ、試験は国家試験へと生まれ変わり、2000(平成12)年には「栄養士法の一部を改正する法律」によって管理栄養士制度の改正が行われました。そして2006(平成18)年3月に行われる第20回試験からは更に新しい受験資格と試験科目が採用されます。
主な改正点としては、管理栄養士養成施設卒業者に対し、これまで免除されていた一部の試験科目の免除がなくなることと、受験資格としての実務経験年数を、各栄養士養成施設の修業年限に応じ1年から3年とすることです。
多くの実験や実習などと共に、昼間の営業時間帯に行われる学外実習が多いという理由から、栄養士と管理栄養士の養成施設には夜間通えるものや、通信教育制度はありません。昼間部のみとなっています。
栄養士になるためには、この養成施設を卒業することが必要となり、唯一の手段です。養成施設さえ卒業してしまえば、都道府県に申請をするだけで、試験を受けることなく栄養士免許を取得することができるのです。
栄養士資格には性別による制限はありませんので、男性でも栄養士になることができます。
栄養士というとどうしても女性と思ってしまいがちですが、最近では男女共学の養成施設も多く見られるようになりましたので、現場で活躍している男性栄養士もいるのです。
職務内容として見ても、性別によって適・不適があるとは言えない職業でしょう。
「食」に関わる専門家である栄養士ですので、食べることが好きな人が一番向いていると言えるでしょう。しかし、実際の職場では調理師とともに食事をつくったり、調理師の指導をすることが多いので、食べるだけでなくつくることにも興味があるとよいと思います。
健康と食事の関係を考え、楽しい食卓にするにはどうしたらよいのか、ということまで考えられるとなお良いでしょう。
栄養士の仕事は周囲の人々との関わりで成り立っています。調理員を指導したり、ともに食事をつくる給食施設、医師の指示に従って献立作成をする病院、医師・保健士をはじめ各専門スタッフと連携して「食」に関するイベントを企画する保健所のほか、栄養指導という面でも、相手から必要な情報をいかに聞きだせるか、いかに上手に説明できるかという点が重要になってきます。
人と接することが好きな人も栄養士に向いているのです。
資格を取得しなければ栄養士にはなれませんが、取得したことに甘んじていてはいけません。食材や人々の趣味・嗜好といった「食」に関する情報は膨大で、常に変化し続けているものです。その時々に合った情報を取り入れ、栄養学や病気などの正しい知識を身に付けることが必要です。
好奇心が旺盛で栄養学の勉強を楽しめる人に向いているでしょう。
学校や病院など、多くの栄養士が働く給食施設では、長時間立ったまま働いたり、重い調理器具や食材を持ち運んだりして毎日何百人もの食事を一度につくっています。
一日3回の食事を出している施設では交代勤務を取り入れていますので、毎日決まった時間に仕事をすることができないかもしれません。
体力があり、自分自身の健康管理もしっかりできる人が向いているといえるでしょう。
私たちが生きていく上で最も欠かせない「食」についての専門知識を持つ栄養士は、さまざまなところで働いています。病院や学校、社員食堂、福祉施設などで働く栄養士が多く見られますが、生活習慣病などが問題となっている現在、栄養指導という方面でさらに需要が高まっていくことでしょう。
そのような職場として挙げられるのがフィットネス施設や高齢者向け施設、在宅訪問栄養指導などです。企業において新商品を開発する仕事も、今後需要が増えるものと見込まれています。
栄養士の持つ知識や技能が今以上に評価され、活躍の場はどんどん増えていくことでしょう。
最近では企業の社員食堂や賄い付きの社員寮などの産業給食施設のほか、病院や福祉施設などで、「委託給食会社」から派遣された栄養士が働くことが多くなりました。「委託給食会社」とは、企業などの依頼により社員を派遣する会社を指します。ここに所属する栄養士は、職場はそれぞれの給食施設ですが、給与などは所属する「委託給食会社」の管轄となります。
反対に、企業や病院、福祉施設などに所属する栄養士は「直営」であり、職場や給与なども所属する施設管轄になります。
給食施設では「委託給食会社」から派遣される栄養士が、栄養相談業務は「直営」の栄養士が行うといった具合に、栄養士を使い分けている病院も多く見られます。
栄養士の勤務時間は職場によって違いますが、どの職場でも共通して言えることは、栄養士も管理栄養士も関係なく、最初の1~2年は現場で集団給食の調理をすることです。現場を経験しない栄養士により作成された献立では、どうしても調理手順に無理が生じるなどの不都合が出てしまいがちです。一般企業と変わらない勤務時間の職場に勤める場合でも、最初は現場を経験することになるということを頭に入れておいてください。
病院や老人ホームなど、毎日三食を提供する施設では6~15時の「早番」、9~18時の「通常勤務」、11~20時の「遅番」といった具合に3交代勤務を取り入れており、盆正月なども交代で休むことになります。
学校や保育園などのように昼食のみを用意する施設や、栄養指導、献立作成のみが仕事の栄養士では、勤務時間帯は一般企業とほぼ同じとなります。
栄養士と管理栄養士では、職場や職務内容は同じであっても給与面に差が出ます。職場によって違いますが、一般に短大卒の栄養士は初任給が16~17万、大卒だと18~20万となり、資格手当てが5,000~2万円程度付加される会社もあります。
栄養士のワンランク上の資格である管理栄養士は、現状は同じ仕事をしていても将来的にはより専門性の高い仕事を任されるようになり、給与面でもさらに差が出てくることでしょう。
公立の学校や保健所などの行政機関では、公務員としての給与となります。
入院患者に対し、毎日三食を提供する仕事のため、早番・遅番といった交代制勤務が主となります。最近では「委託給食会社」から派遣された栄養士が働く病院が増え、「直営」の栄養士は給食には携わらずに栄養指導や栄養相談を行うようになりました。
病院食には入院患者それぞれの症状に応じて、食事制限を受けていない人には一般食、病状によって用意される減塩食・低たんぱく食などの特別食、手術後などで固形物が摂れない人には流動食といったさまざまなタイプがあり、3週間~1ヶ月のサイクルで同じメニューを繰り返しているのが普通です。また、病院によっては、食事をもっと楽しめるように和食・洋食、あるいは肉・魚などを自由に選べる「選択メニュー」を取り入れているところもあるようです。
このように、病院食では栄養知識・最新の医学知識だけでなくさまざまな工夫が必要とされますので、病院の給食施設で働いた経験を持つ栄養士は多方面で活躍できると見なされるのです。
患者さんの健康を司る仕事であるため、病院で働く栄養士には常に最新の医学知識が必要となり、それに向けて日々勉強しなければなりません。
法律の改正により、病院での栄養指導は管理栄養士が行った場合でなければ診療報酬の請求ができなくなりましたので、病院によっては管理栄養士が栄養指導を、栄養士は給食管理を担当しているところがあります。しかし、病棟での栄養指導については栄養士でも行うことができますので、特別食が出されている患者さんに食事内容を説明したり、病状によって食事を摂ることのできない患者さんの様子を見たり、食事の不満や希望などを聞いたりする仕事を管理栄養士とともに行っています。
外来での栄養指導では、食事療法が必要な患者さんに対して数回にわたり、患者さん自身の食事記録や検査データを基に問題点を指摘し、具体的なメニューや調理法を指導することで、自宅で食事管理ができるようにします。
大変ですがその分やりがいもある仕事です。
小中学校で働く栄養士は「学校栄養職員」と呼ばれ、教職員と同じように、国と都道府県が給与を半分ずつ負担する県費職員です。
学校での仕事は給食の献立作成のほか、調理員の指導、ときには一緒に調理をすることもあります。生徒たちと触れ合う機会を学校側が設けてくれた時には、栄養や「食」に関する基本を直接説明することもあります。
盲学校やろう学校、養護学校などで働く栄養士は、子どもの障害の程度に応じ食べやすく調理した食事を用意するという仕事もあります。
学校給食方式には、
各学校に調理場があり、学校で調理する「自校方式」と、いくつかの学校や学区をまとめ、一括して調理したものを学校に配送する「センター方式」があります。1964年に共同調理場(給食センター)への補助金導入が開始され、1985年の合理化通知の後、センター化が進められました。
「センター方式」は、一度に大量の給食を作る必要性から、加工食品が多くなりがちで、配送の手間を考慮して調理時間自体が短くなり、また届けられた給食が冷めるという問題があります。センターによっては様々な取り組みをしていますが、自校方式に比べて食材など工夫の余地が少ないのも実状です。
また、自校方式は栄養士や調理員が学校にいるので子ども達とふれあう利点がある一方、センター方式ではそれが困難です。
このほか、「自校方式」と「センター方式」の中間で、距離の近い学校で行われる「親子方式」と呼ばれる方式もあります。これは、調理場を持つ学校が近隣の調理場の無い学校と共同して調理を行う方法です。
「食育」とは、子どもたちが自分で自分の健康を守り、健全で豊かな食生活を送るための能力である食事の自己管理能力を育てようとするものです。今まで教育現場では、「知育」「徳育」「体育」の3つの教育が行われてきましたが、「食の崩壊」と言われて久しい今日、「食教育」の重要性が見直されています。
栄養士は「食」について子ども達が楽しく学べるように、たとえば食べ物の絵を描いたカードを用意して、それが「赤の食品(肉・魚・乳製品・卵・豆類など)」「黄色の食品(穀物・芋類)」「緑の食品(野菜・海藻など)」のどのグループに分類されるか、といったようなクイズを通して簡単に、そしてわかり易く説明するのが仕事となります。
産業給食施設とは、企業の社員食堂や賄い付きの社員寮などを指し、ここでは食事の献立を作成したり、調理の指導をすることが主な仕事となります。また、社員向けに簡単な栄養指導をすることもあります。
食事をするのはその企業の社員のみですので、栄養士は塩分やカロリーにも気をつけ、毎日食べても飽きないようなメニュー作りをし、社員の健康もサポートすることが重要な職務となります。
健康保険組合での仕事は、社員に対して「食」と健康の関わりを知ってもらうために講習会を開いたり、定期健康診断で肥満や異常が見られた社員に対し、栄養面でのアドバイスを行うことです。しかし現状では、常勤の栄養士を置いている企業が少ないため、今後の活躍が期待される分野となり得るでしょう。
「委託給食会社」とは、企業などの依頼により社員を派遣する会社を指します。
企業「直営」の栄養士と「委託給食会社」から派遣される栄養士が一緒に働く職場もあるようですが、現在では「委託給食会社」が産業給食施設の運営をすることがほとんどとなっています。
ここでの栄養士の仕事はメニューを作成するほか、調理や衛生管理などとなりますが、コストや働く環境などの問題から、その企業の経営状態や給食に対する考え方に合わせた対応も必要となります。
最近は、社員の要望や健康づくりを取り入れてたカフェテリア形式で、多彩なメニューを取り揃え、仕事の合間に気分転換ができるような洒落た社員食堂が増えてきました。
産業給食施設で働く栄養士には、社員が飽きることなく、且つ健康面にも気を配ったメニュー作りと、仕事の疲れを癒す環境作りが必要とされます。カロリーや塩分の表示をしたり、健康と栄養に関する豆知識を掲示して社員の生活習慣病を予防することも栄養士の重要な役目です。
健康保険組合での仕事は、社員に対して「食」と健康の関わりを知ってもらうために講習会を開いたり、定期健康診断で肥満や異常が見られた社員に対し、栄養面でのアドバイスを行うことです。
生活習慣病予防のためには、注意信号の段階で対処することが重要となります。
しかし、社員食堂で働く「委託給食会社」の栄養士が栄養相談を行うことはあっても、常勤の栄養士を置いている企業はまだまだ少ないため、今後の活躍が期待される分野となり得るでしょう。
学校での仕事と同じく、給食の献立作成と調理指導が主な仕事となります。学校と違う点としては、児童の人数が少ないため職員数も限られていて、給食の調理を栄養士も行うことが多いところと、乳幼児が対象のため、一人一人の月齢や個性に応じた献立を立てなければならないことです。しかし児童数が少ないことは、一緒に給食をとるなど児童と接する機会が多くなることにもつながります。仕事は大変ながら、やりがいのある仕事といえるでしょう。
保育園での食事は基本的に昼食とおやつとなります。園によってさまざまですが、主食と副食両方の「完全給食」や、副食のみの「副食給食」、ミルクだけの「ミルク食」といった具合で、栄養基準に基づいた給食の献立を作成します。
乳児院では1日3食を提供しますし、障害を持つ子どものための施設では、3食ともそれぞれの状態に応じた治療食を出すなど、給食形態は施設によってさまざまとなります。
高齢者向けの施設に入所または通所している人のために、施設に応じて一日3食あるいは昼の1食のみの献立作成を行います。
咀嚼力や飲み込む力は老化が原因で衰えますので、食べやすいやわらかい食事にしたり、刻み食を用意するなどの工夫が必要となります。また、施設入所者の中には食べることを生きがいとしている人も多くいますので、栄養補給の面以外にも、季節感を取り入れた食材を使用したり、年中行事に合った食事内容にしたり、ときにはバイキング形式で好きなものを選ぶなど、楽しく食事をするための配慮も大切です。
給食以外にも、外出が困難な高齢者宅に食事を届ける「配食サービス」というものもあります。
地域保健法により、住民に身近な保健サービスは保健センターにおいて実施し、保健所は広域的・専門的な保健サービスを実施することが定められています。設置場所が都道府県か市町村かによっても仕事内容は変わります。都道府県は調査などの対人業務でなく管理的な業務、市町村では集団健診、栄養相談、母子栄養指導などの対人業務が中心となります。
ここでの栄養士の仕事は、集団給食施設に向けて栄養や献立の指導をしたり、栄養調査を行うほか、地域住民に向けては健康づくりのため、医師や健康運動指導士などと協力してイベントを企画することもあります。
都道府県や指定都市などが運営する保健所は全国に約570ヶ所あります。保健所では市県民の健康を守り、快適な生活環境や安心できる保健医療体制を確保するため、疾病の予防、健康増進、食品衛生、環境衛生など幅広い分野にわたる活動をしています。そのため、保健所には医師や獣医師、薬剤師、化学職、保健師、栄養士、臨床検査技師、診療放射線技師などの職員が配置され、病気や健康、食品や住まいの環境衛生、廃棄物などについて、それぞれ市県民からの相談に応じています。
ここでの栄養士の仕事は、集団給食施設に向けて栄養や献立の指導をしたり、国民栄養調査を行うほか、地域住民に向けては健康づくりのため、医師や健康運動指導士などと協力してイベントを企画することもあります。国民栄養調査とは、1年に1回全国約5,000世帯を対象に行われ、国民の健康状態や生活習慣を把握するもので、国における健康増進対策や生活習慣病対策に不可欠な調査となっていいます。
市町村が運営し、保健所よりも身近な存在の保健センターは全国に約3,400ヶ所設置されていて、子育て支援事業、生活習慣病予防など、子どもから高齢者まで各ライフステージにおける健康づくりを保健師や看護師、栄養士などが中心となって推進しています。
子育て支援事業に含まれる母子保健事業には、母子保健手帳を交付してこれから母親になる人向けに母親学級を開くこと、出産後の新生児訪問指導や乳幼児健診、育児・子育て相談などがあり、初めての出産などで相談相手のいない人でも安心して子育てができるように支援します。栄養士は産前・産後の栄養指導や離乳食についてもアドバイスをしています。
成人向けの集団健診では、職場や学校などで定期健診を受ける機会のない専業主婦や高齢者の健康チェックも行い、肥満や異常が見られた場合に適切な指導をして生活習慣病の予防を図っています。生活習慣病予防のためには、注意信号の段階で対処することが重要です。
食品・栄養にかかわる調査・研究・開発を大学、研究機関、食品会社などで行っています。栄養士の資格云々ではなく栄養学についての知識が必要となる仕事ですので、研究・開発分野においては理系の大学出身者が徴用されることが多くなります。特に新製品の開発においては、注目される分野となっています。
一方、栄養士・管理栄養士養成、保健・福祉関係の大学などでの教育研究をする栄養士もいます。
また、在学中に教職課程を経て教員免許を取った人は、小中高で家庭科などの教師になることもできます。
最近人気の分野として、食品関係の企業などにおける新製品の開発が挙げられます。
新製品を作るプロセスとしては、市場調査や各部署の人たちとの意見交換を経て企画を立て、コストや製造工程に無理のないように試作と試食を繰り返すというものになります。一つの新製品ができるまでには相当な努力と時間がかかることがお分かりでしょう。大変な仕事ですが、開発に携わることができたり、自分の作ったものが世に出るという体験ができるため、やりがいがあり且つ人気も高い仕事です。
また、開発した新製品を使って新しいメニュー作りをする栄養士もいます。
国民の健康や食品への関心の高まりを踏まえ、諸外国の制度との整合性を図ることなどを目的に、厚生労働省は2001(平成13)年4月1日から「保健機能食品制度」をスタートさせました。
この「保健機能食品」とは、①すでに平成3年から制度化されている「特定保健用食品」と、②平成13年4月から制度化された「栄養機能食品」、の2つの総称です。新しく制度化された「栄養機能食品」は、身体の健全な成長・発達、健康維持に必要な栄養成分の補完・補給を目的とした食品で、いわゆるサプリメントの概念に相当するものです。
栄養士は食品の安全性を証明するため、科学的な根拠を元にして資料を作るなどの仕事を担います。
非常に人気の高い仕事として、スポーツ選手の栄養管理を行うサポートスタッフになることが挙げられます。しかし養成施設卒業程度では足りない高度な専門知識が必要であり、また就職口も限られているため、サポートスタッフになれる人はごくわずかです。ボランティアで活動しながら勉強を続けたり、病院など違う分野で経験を積んだ栄養士が採用されるケースが多いようです。
そして今後需要が伸びるであろう分野として、フィットネス施設があります。最近では医療と健康・体力づくりの面を医師がサポートし、栄養士によって運動と食事を組み合わせたダイエットプログラムを取り入れている施設が見られるようになりました。施設によっては栄養士による栄養相談日を設けているところもあります。
スポーツ選手のサポートをするスタッフはいろいろいますが、体力強化担当の「トレーニング・コーチ」、休養面担当の「アスレチック・トレーナー」などと並んで食事面を担当する「ニュートリション・コーチ」という職業が栄養学を学ぶ人たちの間で非常に人気の高い仕事となっています。
「ニュートリション・コーチ」の仕事は、「ミール・トレーニング」といって選手が体調や体力を常に維持できるように食事の摂り方や自己管理の方法を指導することですが、食事面での指導は私生活にまで関わってくることですので、栄養学の知識だけでなく選手の信頼を得られるような人間性も兼ね備えていることが重要です。
また、サポートをする選手が出場している競技に必要となる能力、病気や怪我についての専門知識とともに、どういった栄養素やサプリメントを摂れば更なる活躍ができるかなどについても考えなければならず、奥の深い分野となっています。
健康ブームの影響でフィットネス施設に通う人が多くなってきました。まだ少ないものの、施設によっては医療と健康・体力づくりの面を医師がサポートし、栄養士によって運動と食事を組み合わせたダイエットプログラムを取り入れているところも見られます。
また、法人会員となっている企業の社員向けに、メディカルチェックのプログラムを取り入れている施設もあります。
常勤の栄養士を置いていなくても、特定日に栄養士による栄養相談日を設ける施設も増えています。
まだ求人数は少ないですが、今後の需要増加が期待される分野といえるでしょう。
フードコーディネーターとは、最近テレビやCM、映画や雑誌などで脚光を浴びている花形的職業です。
その仕事は幅広く、「食」のシーンの演出から料理やメニューの企画、調理や飲食店のメニュー開発、ダイエットコンサルティング、料理教室の企画・運営など、まさに「食」に関するあらゆることに関わる仕事といえます。
フードコーディネーターになるのに特に国家試験などの受験は必要ありませんが、「日本フードコーディネーター協会」が独自の資格認定試験を実施しています。しかし、ほかの栄養士の仕事同様、合格に甘んじず常に勉強していく姿勢が大切です。
また、仕事の内容から見ても、栄養士や調理師、テーブルセッティングやカラーコーディネートについての技術もあわせて持っていたほうが有利といえるでしょう。
食品関係の企業や生産・加工業者、調理器具メーカー、デパートやスーパーなどの流通業などで、販売や広報に携わる仕事もあります。
栄養士として十分に活躍できる職場もあれば、事務仕事ばかりだったり、一般社員と同じ仕事をしているなど、それぞれの職場によって仕事内容は異なります。
納得のできる仕事をするためにも、就職活動の際にはその会社での栄養士の役割についてしっかりと見極めることが大切です。
栄養士としての募集があるわけでもなく、数も少ないものの、料理の本を企画・出版したり、テレビや新聞などのメディアを通じて「食」情報を提供する仕事もあります。
こういった仕事で活躍する栄養士は、最初は出版社の編集者や新聞記者として採用されています。そして機会に恵まれた人のみがメディアで活躍できるのです。この分野でも、栄養士としての専門知識を十分に生かすことができそうです。
企業などで経験を積んだ後、独立して開業栄養士になる方法もあります。メリットとしては、自分のペースで仕事ができることや仕事を選べることなどですが、会社を経営する能力が必要となりますし、開業してやっていけるほどの仕事が取れるかなども問題となるところです。
開業栄養士の仕事としては企業での栄養指導・健康相談や食品会社のアドバイザー、講演会の講師、病院の栄養管理、料理教室、専門家としてマスコミで活躍する、などがあります。
子育てなどを理由にフルタイムで働くことができない栄養士や、定年退職をした栄養士が組織に所属せず、フリーで働いていることもあります。仕事先としては保健センターや給食施設、在宅訪問栄養指導など、多岐にわたります。
在宅訪問栄養指導は、自宅で介護を受けている高齢者の健康状態をチェックしたり、介護している人に調理や食べさせ方などのアドバイスをするもので、高齢化社会を迎えている現代日本において、これからますます重要となる業務です。
フリーで働く栄養士のメリットは、専門的な資格を持っているために多くの職場があることですが、自分自身の勉強の機会が少なくなるというデメリットもあります。そういった人は積極的に勉強会に参加したり、同じような境遇で働く栄養士と連絡を取り合うなどの努力も必要となります。
栄養士の資格を独学で取得することはできません。高校を卒業後、国が指定した養成施設を卒業することが必要です。
養成施設には夜間通えるものや通信教育制度はありませんので、社会人から栄養士になろうと志す人は、勤め先を辞めて養成施設に入ることが必要となります。なお、4年制の大学や専門学校には社会人入学者が多くいるところもありますので、不安な人はそういった施設を選ぶとよいでしょう。
養成施設の中で一番長い期間学習することのできる4年制大学では、栄養士資格を取得するための勉強だけではなく数々の選択科目が用意されており、学生生活自体も楽しむことができるでしょう。また、4年制大学では卒業論文が課されるところが多いので、自分の興味のある分野をじっくりと学べる機会もあるでしょう。
家政学部が設置されている大学は女子大に多く、文系と思われがちですが、ここで学ぶ科目には人文学的科目以外にも理数系科目もあり、調理実習なども多く取り入れられているようです。そのほか、教員免許を取得するための科目が充実している大学もあります。
卒業と同時に「栄養学学士」号を取得できることになっています。
養成施設の中で一番長い期間学習することのできる4年制大学です。理系大学で栄養士資格を取得できる学部は、医学部や農学部、薬学部の栄養学科や栄養学部となります。
家政系の大学に比べて数が少なく、レベルも高くなっていますが、ここでは人体のしくみや食品の成分について専門的に学ぶことができます。
ここでも卒業と同時に「栄養学学士」号を取得でき、卒業生は研究機関などに就職することが多いようです。
同じ4年制大学でも学ぶことに差が出てきますので、自分が将来どういった方向を目指すのかをよく考えてから進路を決めるとよいでしょう。
大学と同じように短期大学にも家政系と理系があります。
短期大学でも栄養士資格を取得するための勉強だけでなく、一般教養科目を学ぶことができますが、深い専門知識が必要とされる研究機関などへの就職は望めません。
栄養士以外の職業に就く人が多いことも特徴ですので、とりあえず少し勉強してから社会に出たい人や、栄養学に少し興味のある程度の人が向いているといえるでしょう。
また、2年制と3年制では管理栄養士国家試験の受験資格を取得する際に必要となる実務経験年数に1年の差が出る、ということが違いとなります。
卒業と同時に「栄養学準学士」号が取得できます。
社会人から栄養士を目指す人が最も多く選んでいる養成施設が専門学校であり、卒業後栄養士として働く人も最も多くなっています。栄養士になるという明確な目標を持った人が学ぶ施設ですので、同じ志を持つ仲間がたくさんできます。
ここでは実務に役立つカリキュラムが多く取り入れられ、実習も充実しています。
なお、短期大学の場合と同様、2年制と3年制の違いは管理栄養士の受験資格を取得する際に必要となる実務経験年数に1年の差が出ることです。
短大や専門学校で栄養学を学ぶ人が、より専門的な知識を身につけるために4年制大学に編入しようとする場合、今まで履修してきた科目の単位がどの程度認定されるかが重要となってきます。
4年制大学が併設されている短大ではこの認定が簡単にできるようですが、それ以外の場合は一度受け入れ先へ問い合わせてみましょう。
また、全国に約20校しかないためあまり知られていませんが、短大に併設されていることの多い1年制または2年制の「専攻科」と呼ばれる短期大学学位授与機構認定専攻科を卒業すれば、「栄養学学士」号を取得することができ、管理栄養士国家試験の受験資格を取得する際に必要となる実務経験年数が修業年数分短縮されます。
「専攻科」に入ることができるのは、「短大または専門学校卒業または卒業見込みの人」となっています。
学校の特色やカリキュラム、卒業生の就職状況などがわかる学校案内を、ほとんどの学校が用意しています。卒業生や在校生の声も載っていることが多いので、参考になります。
例年夏頃に次年度募集要項が出されます。資料請求は電話やメールなどでもできますので、自分が行きたいと思っている学校の資料は必ず入手しましょう。
学校によっては説明会や見学会を開催しているところもあります。実際に足を運んでみると、募集要項などの資料ではわからなかった点にまで目が行き届くものです。志望校で説明会や見学会を開催していれば、ぜひ参加してみましょう。
参加する前に学校の資料に目を通しておくと、不明瞭な点についても質問しやすくなりますし、漠然と参加するよりもよりその学校を理解できるでしょう。
学校によっては説明会などの際、調理実習などに参加できるところもあるようです。
説明会や見学会を開催していない学校の場合は、入試課や進路支援センターなどに問い合わせれば質問に答えてもらえます。
学校案内を入手したり、説明会や見学会に参加すればその学校についておおまかに把握することができますが、やはり細かいところまではわからないものです。
もしその学校の卒業生や在校生に知り合いがいれば、学校についての話を是非聞いてみましょう。案内では知り得なかった情報が入手でき、進路を決める上で大いに参考になることでしょう。
志望校が決定したら、入試対策にうつりましょう。入学試験の日程や試験科目、推薦制度の有無などについて調べ、過去問題など対策集が出ていれば入手したいものです。
次年度の募集要項は例年夏頃に出されます。前年度と変更点があれば、早めにチェックして対策をとってください。
入学試験科目や願書の提出時期も学校によってまちまちですので、準備は怠りなくするようにしましょう。
大学ごとに試験内容はさまざまですが、一般的に「必須科目1または2+選択科目1または2」の、合計3科目で試験が行われます。
家政学部系の大学では、選択科目により文系科目のみで受験できるところもあるようですが、大半は3科目中1科目が理系となります。
推薦入試の場合は「小論文+面接」、あるいは「適性テスト+面接」というのが一般的です。
短大ごとに試験内容はさまざまですが、一般的に「必須科目1+選択科目1」の、合計2科目で試験が行われます。
家政系の短大では、4年制大学と同じように選択科目により文系科目のみで受験できるところもあります。
理系の場合では選択科目に化学、生物などが取り入れられています。
「適性検査」として英語や国語、理科などが出題される学校もあるようですが、一般に「書類選考+作文+面接」で入試が行われます。
作文や面接では限られた時間内に自分の考えをまとめ、文章にしたり声に出したりする能力が問われますので、本番で戸惑わないようにしっかりと練習しておきましょう。
なお、「栄養士になろうと思ったきっかけ」や「高校時代に印象的だったこと」などがよく問われます。
社会生活における健康の保持増進には環境などが深くかかわっていることから、環境と健康との関わりや、医療・福祉などに関する諸制度について学びます。
・公衆衛生学
公衆衛生学は人々を疾病から守り、健康の保持・増進をはかることを目的としており、医療・健康関連分野を専門として働く人々の基礎となる学問です。
介護保険法、老人福祉法、学校保健、産業保健などの法律や医療保険制度のしくみ、予防接種などの疾病予防、環境衛生などを学びます。
「必修科目」のほか、各学校によりさまざまな「選択科目」があります。
たとえば「食品加工学」では食品の保存・加工方法、加工済の食品の包装や流通について学び、「スポーツ栄養学」では食事と運動の関係を学びます。そのほか、「フードスペシャリスト論」、「フードコーディネート論」、「食品流通経済論」や、病気に関係する「病態生理学」、「病態生化学」など、学校によって本当にさまざまな科目が用意されています。
短大や大学で学ぶ人は、必要な単位を取れば「教職員免許」を取得することも可能です。また、4年制の大学では各自テーマを決めて調査を行い、「卒業論文」を書くところも多くあります。
こういった具体的な講義内容を調べることで、自分の勉強したいことが学べそうな養成施設を選ぶとよいでしょう。
管理栄養士になる一番の近道です。卒業と同時に管理栄養士国家試験受験資格を得ることができますので、実務経験は必要ありません。
管理栄養士養成施設には4年制大学の管理栄養士課程と、4年制専門学校の管理栄養士課程の2種類があります。2004年4月現在で、4年制大学の管理栄養士課程は87校、4年制専門学校の管理栄養士課程は5校あります。
近年増え続ける生活習慣病対策として管理栄養士制度の見直しとなり、2002(平成14)年に法改正が為されました。これにより、管理栄養士養成施設卒業者が免除されていた一部の試験科目が、2006(平成18)年の第20回国家試験から免除されなくなります。
栄養士免許を取得した人が管理栄養士を目指す場合、各栄養士養成施設の修業年限によって設けられた一定期間の実務経験を経れば国家試験受験資格を取得することができます。栄養士養成施設と実務経験は、通算して5年の期間が必要ですので、たとえば2年制栄養士養成施設を卒業した人では、3年以上の実務経験を経た後国家試験を受験することができるようになるのです。
栄養士として就職したものの、管理栄養士への道を目指したくなれば、職場を辞めて養成施設に入ることなく実務経験を積むことで国家試験受験資格を得ることができます。
ただし、2005(平成17)年3月31日の時点で、現行の規定による受験資格を持つ人(4年制の栄養士養成施設卒業、3年制の栄養士養成施設卒業+1年間の実務経験、2年制の栄養士養成施設卒業+2年間の実務経験)は、2010(平成22)年3月31日までの間は、そのままで受験資格を持ち続けますが(附則第5条第4項)、それ以降は改正後の規定による実務経験を経なければ受験資格を得られません。